高齢者の入浴介助を行う際は、事前の体調確認が必須です。体調がすぐれない時に無理に入浴を行ってしまうことで容体の悪化や更に体調不良を招くなどの危険性が高まりますので、入浴介助前は必ず、体調の確認を行うようにしましょう。
体調確認の基本項目として挙げられる血圧、体温、脈拍数、呼吸数などに加え、食欲の有無や表情の変化、そのほか普段と異なる点に気づく事が重要です。特に血圧の数値には注意が必要です。最低血圧が100以上で入浴を行った場合、事故発生数がおおよそ14倍にも増えるといわれています。
また、冬場によく耳にするヒートショックも、高齢者の場合はより注意が必要となります。急激な温度差によって血圧の上昇と低下を引き起こし招くヒートショックですが、悪化すると脳内出血や脳梗塞、心筋梗塞につながるなどの危険があります。あらかじめ入浴前の室内、脱衣所、浴室の温度差をできる限り近づけて置く事でヒートショックを引き起こす可能性を下げる事ができますので意識しておくといいでしょう。
空腹時の入浴も危険です。空腹時は体内の水分が不足している状態である可能性や、血糖値が低い状態である可能性が高いです。水分不足や血糖値が低い状態での入浴は、めまいや貧血状態を招く恐れがあり非常に危険です。反対に、食後すぐに入浴を行う事も消化不良状態であることから危険ですので避けるように注意しましょう。
また、入浴介助時は要介護者の肌状態の確認もできるタイミングです。傷やかぶれなどの症状がないか、しっかりと全身の皮膚をチェックする事も重要です。